其れは、屋根裏で眠りにつくはずだった物語。
少女は一人、屋根裏部屋に居た。
いつものように記憶の埃を払い、
いつものように物語を辿った。
そこから掬い出された或る記憶。
《彼女》は許さなかった。
《彼》が屋根裏部屋に眠ることを。
《彼》が忘れ去られることを。
少女はそれを咎めはしない。
如何に足掻いても、いずれ物語は忘れ去られる。
(ソレデモ)
全ての記憶は、必ず屋根裏部屋へ収められる。
(ソレデモ、ワタシハカレノモノガタリヲ―――――)
少女はただ、静かにその記憶の訪れを待つ。
紙の上踊るは秘密の物語、虚空へと沈んだ彼の幻想
At the Garret 2nd Album
「 」
M3秋にて頒布予定
Hakutyo by At the Garret